ゲシュタルトセラピー(ゲシュタルト療法)とは
この記事では、ゲシュタルト・セラピーとはどんなものか、
以下5つの項目に分けて、お伝えしますね。
少し長い記事になりますが、よろしければご覧ください。
ゲシュタルトセラピーは、有名な心理療法の1つ
ゲシュタルト・セラピーは、有名な心理療法の1つです。
カウンセリングを体系的に学んでいる人なら、
日本に限らず、世界中のセラピストたちが、たいてい名前くらいは知っていると思います。
また、「グロリアと3人のセラピスト」という、
カウンセリングを学ぶ人にはとても有名な実録ビデオがあるのですが、
ここでも、3大療法の1つ(※)として登場します。
このビデオ、各療法の創始者自らが出演していてスゴイです。
※このビデオで言う、三大療法
(これらを三大療法ということに、今は異論があると思います)
1.来談者中心療法
(創始者:カール・ロジャース)
2.ゲシュタルト療法
(創始者:フレデリック・パールズ)
3.論理療法
(創始者:アルバート・エリス)
ただし、このビデオで展開されるゲシュタルト・セラピーは、
かなり無理のある場面設定だったためか、
創始者が行っているにも関わらず、
誤解を与える あまり良くない内容です。
これを観てゲシュタルト・セラピーに偏見を持ってしまう人が、残念ながらいるようです。
私自身が体験し、感動を覚え、大きな効果を感じた
私がゲシュタルト・セラピーを初めて体験したのは、2009年でした。
その頃、すでにカウンセラーとして仕事をしていましたが、
カウンセリングの方法としては、
もっともオーソドックスな
会話中心の「来談者中心療法」を行っていました。
あるいは時々、論理療法的なことをお伝えしたり。
(上のビデオに出てくる、その他2つの療法ですね。別ページに書いた「アタマ・アプローチ」とも言えます。)
これらの方法でも、一定の効果は感じられます。
ですが、効果が出る人に限りがあるというか、効果自体にも、限界を感じるというか…。
そんなことを感じていた頃に、
「ゲシュタルト・アソシエイツ ジャパン(GA)」のワークショップに参加しました。
GAは、ゲシュタルトセラピーでは日本の第一人者、岡田法悦氏を顧問とする、会員制の勉強団体です。
そちらで初めて、岡田氏に、
ゲシュタルト・セラピーのワークをしてもらいました。
本当に、衝撃でした。
私は、実母との関係でトラウマというか課題を持っていて、
恐らくそれも1つの原因で、
息子との関係に悩むことがありました。
「頭では、それが良くないことだと分かっている。でも、気持ちが抑えられない。」
そんな部分を持っていました。
ワークでは、まさに そのような気持ちのところに、バシッ!!と焦点を当てて、ワークを進めていくのです。
そして、カラダの感覚を感じ、エンプティ・チェア(次章参照)で感じるものを表現していく。
そんな体験型のプロセスを重ねていくと、自分でも驚くような、気づきや内容に発展していき、
腹に落ちる「実感」を得られたのです。
当時、私はビギナー参加費として
3,000円を払っていたのですが、
「こんなセラピー初めて!
こんな大きな気づきを得られるのなら、
3万円払っても惜しくなかった!」
それくらいに感動したことを覚えています。
その体験をきっかけに、
「私もゲシュタルト・セラピーを学ぼう!」
となった訳です。
それから3年ほど GAに所属し、
岡田氏のもとで、ゲシュタルトの体験や勉強をさせてもらいました。
エンプティチェアという方法が有名
ゲシュタルト・セラピーでは、
「エンプティ・チェア」といって、
座布団やイスを使って、まるで演じるようなワークをするのが有名です。
座布団やイスに、自分の気になる人(やモノ)がいるようなつもりで会話をしたり、
あるいは そこに座って、相手になったつもりで、相手の立場でものを見たり、話したり。
それを実際に演じ、感じることで、気づきを促します。
この「エンプティ・チェア」の手法は、
ゲシュタルトに限らず、
NLPなど別の心理療法でも よく活用されている手法です。
身体感覚や身体表現に注目し、「未完了の完了」を目指していく
ゲシュタルト・セラピーでは、
クライアントさんが、「今ここ」で感じている、「身体感覚」とか「フェルトセンス」
(その人が身体の内部に感じる感覚。
例えばモヤモヤとかザワザワとか)を、
非常に大切なものと考え、扱っていきます。
またカウンセラーは、
クライアントさんが話す
話の内容(ストーリー)よりも、
話している時の表情、呼吸、姿勢、
無意識にしているポーズや動き、などに注目しています。
(もちろん、話の内容も聴いていますが(^^;))
そこに、「無意識」レベルのサインが現れていると考えるからです。
このような「身体感覚」や「フェルトセンス」「無意識に現れている身体のサイン」を、
クライアントさんにも
気がついてもらい、感じてもらい、動きで表現するなどしてもらうと、
不思議なことに 身体や無意識が、
その人にとって「未完了」だったり
「未解放」だったりしたものを、自然と出してきます。
それは、だいたいトラウマに関係するものが多いのですが、
その、「未完了」だったり「未解放」だったりしたもの
(何かをしたいという衝動や、抑圧されてしまった感情表現など)
を、しっかり「完了させる」「解放させる」ことを、ゲシュタルトセラピーでは目指すのです。
この、
「未完了の完了」
「未解放の解放」
がしっかり果たされると、
無意識レベルで
原因となっていたものが解消され、
悩みの解決につながると、
ゲシュタルト・セラピーでは考えます。
ちなみに、この「未完了の完了」を目指すという考え方は、
SE™(ソマティック・エクスペリエンシング®)療法にも共通する考え方です。
ゲシュタルト・セラピーを学ぶためにオススメな本
ゲシュタルト・セラピーについて、
もっと詳しく知りたい、学びたい、という方には、以下の本がオススメです。
上でも紹介した、岡田法悦氏の書籍です。
私はこの本の第1版を読みましたが、
実例も多く読みやすいので、
一般の方にもオススメできます。
▼実践“受容的な”ゲシュタルト・セラピー―カウンセリングを学ぶ人のために
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