私のSEセッション体験談 ~未完了を完了する~

SE療法とゲシュタルトセラピー

私のSEセッション体験談 ~未完了を完了する~

トラウマ療法、SE(ソマティック・エクスペリエンス)とは?の続きです。

トラウマ療法「ソマティック・エクスペリエンシング®」
略してSE™(エスイー)療法
イメージをつかんでもらうために、
私がトレーニング中に受けた

練習セッションの体験談
を、こちらでご紹介します!

ちなみにこの体験談は、
「ゲシュタルト・セラピーの体験談」といっても問題ないくらい、
両者に共通するようなセッションになっています。

あわせて参考にしてくださいませ。

自転車事故エピソードを扱った、セッション体験談

この日のテーマは、「高衝撃トラウマ」でした。

自動車事故などのように、
あまりにも急なスピードで、
あまりにも大きな衝撃を受けたことによるトラウマです。

SEでは、
その出来事があまりにも速く、
あまりにも圧倒的に起きてしまったので、

身体(神経系)が本来とりたかった反応を起こせなかった、
未完了のまま残ってしまった
、と考えます。

私は練習セッションで、
自分が高校1年生の時に体験した、
「自転車事故」エピソードを扱うことにしました。

24年も前の出来事で、普段は思い出すこともないのですが、
たま~に、自転車が回転する直前の、
あの「恐怖の瞬間」が、
映像イメージでよみがえる事があったのです。

あの時は部活動の帰りで、
同じ演劇部の仲間5~6人と、
自転車で駅に向かっていました。

私は Kちゃんを後ろの荷台に乗せて、
2人乗り運転をしていました。
(本当はいけないんですけどね。^_^;)

そして、下り坂を結構なスピードで下っている時。

なんで彼がそういう事をしたのか、
いまだによく分からないのですが、
同じ演劇部のA君が 
私たちにちょっかいを出してきて、
自分の傘を、私たちの自転車の前カゴに引っ掛けたんです。

瞬間、その傘が前輪にガッ!と入り込み、
自転車は急停止。

下り坂で結構なスピードを出していた自転車は、
そのまま、その勢いで前方に一回転。
Kちゃんも、私も、
前方に吹っ飛んでしまったのです。

幸い、私もKちゃんも、
病院に行くほどの大きなケガはしなかったのですが、

あの時の、
傘が前輪にガッ!
自転車も突然ガッ!と止まった、
あの恐怖の一瞬だけは、
自分の記憶に焼きついています。

さて、この時の出来事を、
私は特にトラウマと感じている訳でもなかったのですが、
とりあえず練習用ということで、
セッションで話してみました。

以下、やり取りのポイントを
かいつまんで
書きます。

ソマティック・エクスペリエンシング

セラピスト役(Th)「その時のことを話していると、身体はどんな感じになりますか?」

クライエント役の私(私)
「胸の辺りが少しドキドキして・・・足が、じわじわする感じがします。」
「手も、何か反応している感じです。」

Th:「その反応を起こるがままにして、どうなっていくか、観察してみましょう。」

私:「(手の指が少しずつ動いていく)・・・ピアノを弾くような感じ?」
 (次第に、両手が何かをつかむような形になっていく)
 
・・・(間)・・・

私「あっ! 自転車のハンドルのイメージが。」
 「・・・そうだ、ブレーキだ!
  私は、ブレーキをかけたかったんだ。」

Th:「ハンドルのイメージが浮かんできて、佐和子さんは、ブレーキをかけたかったんですね。」

私:「そう、ちゃんと、ブレーキをかけて止まりたかったんだ。
 それが出来ずに、急に中断させられる感じになったから・・・。」

Th:「では、ゆっくり、ゆっくり、ブレーキをしっかり、かけてみましょう。」

私:「うん、うん。そう。ブレーキをしっかりかけて、止まりたかった。
(ブレーキをかける仕草をしながら、じっくりそれを味わう)
・・・足、足も何だか・・・。」

Th:「足も反応していますね。足は、どのように動きたがっていますか?」

私:「足は、こう、ちゃんと地面に降ろしたい感じ・・・。
 そうだ! ブレーキを、こうキュッとちゃんとかけて、
 そして、自分の足をこう着いて、自分で、しっかり止まりたかったんだ。
 自分の力で、自転車をとめて、自分の足で、地面に降りたかったんだ。

(ブレーキをギュッと握る動作と、
 足をしっかり地面に着けた感覚を味わって)

・・・うん、そう、これがやりたかった。そうだ。」

Th:「ブレーキをキュッとかけて、
 しっかり自分の足で地面におりたかったんですね。
 それをやれて、今どんな感じですか?」

私:「あぁ、すごく納得するというか、
しっくり来るというか・・・。うん、いい感じ。」

Th:「いい感じなんですね。」

私:「そして、自転車をこうやって停めたら・・・。
 A君に向かって、
 ・・・文句を言いたい感じ。(笑)」

Th:「A君に、文句を言いたい感じなんですね。
 (笑顔で)いいですよ。」

私:「ちょっと! やめてよ!
  いきなり何するのよ! 危ないじゃない!」

私「・・・うん、そう、こうやって文句を言ってやりたかった。(笑)
 ・・・うん。すごく、しっくり来る感じ。

自分でブレーキをかけて、
自分の足で地面に降りて、
そして、A君にこうして文句を言う。

うん、この順番を、ちゃんとやりたかったんだ。
それが今、はっきり分かりました。
すごく納得する感じです。」

ソマティック・エクスペリエンシング

未完了を完了する、ということ

練習セッションの、
ポイントの部分だけご紹介しましたが、
いかがでしょうか?

このように、
自分の頭では全然気が付いていないのだけれど、
身体(神経系)が起こしたかった反応、
出したかったエネルギーというものは、
何十年経っても残っていることがある
んですね。

その「未完了」を「完了」させたくて、
私の今回のケースでは、
たまに「恐怖のあの瞬間が、映像イメージとして、浮かび上がってくる」
ことが、あったのだと思います。

ちなみに、この練習セッションを行った後から、
不思議なことに、
その時の出来事の思い出し方が
本当にガラッと変わり
ました。

これまでは、このエピソードを思い出す時は、
いつもあの「恐怖の一瞬」イメージだけが、
ものすごく尖った感じで、
目立って現れていたのです。

それが今では、
「高校1年生の時の、1つの思い出。1つのエピソード」として、
特に目立つ訳でもなく、
箱の中に、ちゃんと収まったような感じになっています。

この感覚の違いは、
体験した者でないと分からないかも知れませんが、
明らかな変化で、
そして安心できるもので、
とってもいい感じなのです。

トラウマ体験を完了させる

私の今回のエピソードは、
トラウマと言えるほどでもない、ささいなエピソードです。

でもこれが、
虐待や大きな事件、事故、災害やいじめ体験だったとしたら、
その影響力は、計り知れないことが想像できる
と思います。

そのような大きな出来事については、
1回のセッションで
「未完了を完了」「未解放を解放」
にするのは難しいですが、

大きな出来事だからこそ、
時間をかけて、
ゆっくり安全にプロセスを進めていくと、

確かな回復、
確かな変化を感じられる
ことと思います。

ソマティック・エクスペリエンシング

では、今回はこの辺りで。

SE™については、
時々、こうやってご紹介の記事をあげていきますね。

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